ボイス企画 かずのこ
番外編 終業式後のヒトコマ
・馬場家の場合
一「ただいまー」
父「お帰り。もうすぐ飯できるからな」
一「うん。腹へったー! あ、はい。成績表」
父「お、どれどれ……ははっ! 相変わらず酷い成績だな! あ、でも今回は体育以外に家庭科も良い感じだな!」
一「店継ぐならやっぱり家庭科も頑張らないと駄目じゃん? だから今回ちょっと頑張ってみた」
父「え? 一也、お前店を継いでくれるのか?」
一「だって、父さんの代で店を畳むのもったいないじゃん。俺もあの店好きだし」
父「一也……お前って本っ当良い子だな!」
一「わー! ギブギブ!」
頭抱えてグリグリ的な
効果音 ドア
由「もう、二人ともなにしてるの?」
父「由香、お帰り」
由「ただいま。はい、成績表」
間
一「由香凄い! 俺の倍はいい! 特進いけるんじゃないか!?」
由「お兄ちゃんが馬鹿なだけでしょ。秀君がね、勉強教えてくれたの」
父「秀君が?」
由「うん。秀君って頭が良いだけじゃなくて、教え方も丁寧で分かりやすいから助かっちゃう!」
一「由香! 勉強ならお兄ちゃんに聞いてくれれば……」
由「その悲惨な成績でよく言うわね。お兄ちゃんに教えてもらったら全部赤点よ!」
一「ま、まさか由香、秀一のことがすすす好きなんじゃ」
由「な、なに言うのよ! そんなことないわよ!(図星)」
一「お兄ちゃんは許さないからな!」
由「もう! 馬鹿なこと言うのはやめて! ……あれ? お父さん、なんか臭わない?」
父「え?」
一「由香、話を逸らすんじゃない! まだ話しは終わっ……」
由「お兄ちゃん黙って! うるさい! なんか焦げ臭いような……」
間
父「あーっ! フライパン! 昼飯が焦げてるーっ!」
・天野家の場合
秀「ただいま」
母「秀ちゃんお帰りなさい」
間(母 ニコニコ)
秀「なに? あ、成績表?」
母「あらあら、音楽だけが残念ね」
秀「ああ……うん……」
母「秀ちゃん歌は苦手だものね」
賢「驚くほどの音痴だからな」
秀「賢」
母「おかえりなさい賢ちゃん。賢ちゃんも成績表みせて?」
賢「あ……うん……」
間
母「……賢ちゃん、これはいったいどういうことなの!?」
賢「あー……えっと……」
秀「酷い数字だな……」
賢「うっせーよこの音痴!」
秀「音痴音痴煩いな!」
父「いったい何を騒いでるんだ?」
秀「あれ? 父さん出張じゃなかったの?」
父「予定が早まってな。さっき帰ってきたところだ」
母「あなた、これ」
父「ん? 秀一と賢二の成績表? 秀一は……音楽が残念だなぁ」
秀「二人揃って同じ反応しないでよ……」
父「でも後は凄いな。よく頑張った。……で、賢二は」
間
父「……賢二、これはいったいどういうことだ? テストの結果は悪くなかったはずだろう? どうしてこうなった?」
賢「えっと……」
秀「授業態度が悪いからだろ。これじゃ指導対象になったんじゃないか?」
賢「ちょ、お前余計なこと言うなよ!」
父「指導?」
秀「テストの結果が悪い場合は補習、生活態度が悪い場合は生徒指導の対象になるってきいてるよ」
父「賢二……」
賢「指導なんてかかってないからな! 最近は真面目に授業受けてるから対象外にしてもらえたし」
父「(溜め息)あのなぁ賢二、父さんはテストの結果が悪くてもそんなに煩く言うつもりはないが、授業態度は別だ。最近は真面目に受けてるならいいが、次やったら怒るぞ」
賢「……はーい」
父「のばさない」
賢「はいはい」
父「はいは一回!」
賢「……めんどくせぇ(ぼそっ)」
・立花家の場合
茜「ただいまー」
父「あぁお帰り」
茜「はい、成績表」
母「相変わらず茜は家庭科の成績がいいわねー。他は英語を除いて典型的な文系……あら? 今回は英語も頑張ったじゃない!」
茜「うん。最近特進の男子と仲良くなって教えてもらったの」
母「なになに? もしかして彼氏?」
茜「残念ながらただの友だち」
母「なーんだ。残念。でも茜は家庭的だしいつでもお嫁に行けるわね。楽しみだわー」
茜「いつでもって……私まだ中2だよ?」
父「そうだぞ灯、まだ10年以上先の話だろう」
母「あら、私が茜を産んだのが24歳なのよ? 今は早い人は早いから20歳くらいで結婚しちゃうかもしれないわ」
茜「ないない」
父「……茜、あと10年はお父さん許すつもりないからな」
茜「お父さんまでなに言ってるのよ」
楓「心配しなくても大丈夫だよお父さん。はい、僕の成績表。あかねーちゃんをもらってくれる物好きはそんなにいないと思うから」
茜「ちょっと楓! どういう意味よ!」
楓「そのまんまの意味だよーっだ!」
効果音 走る
茜「こらー! 楓ーっ!」